ある日
北欧デザインの写真集を開いていたぼくは
ひとつの小さな青い椅子に 心を奪われた
世界でただ一つ
コペンハーゲンにしか置いていない 特別な椅子
“ドロップチェア”
それは デンマークが生み出したデザイナー
アルネヤコブセンの作品だった
シンプルで 洗練されている
それでいて 可愛らしい
寝ても覚めても 頭から離れないほど
ワクワクするデザインだった
この椅子は なぜこんなにも
ぼくを惹きつけるのだろうか
この椅子を生み出した
巨匠アルネ・ヤコブセンは
どんな人なんだろうか
この椅子が生まれた デンマークとは
一体どんな国なんだろうか
小さな青い椅子をきっかけに
デンマークに対する 思いは ふくらんでいった
本物をこの目で見てみたい
その思いは
ぼくをコペンハーゲンまで連れて行った
ドロップチェアの置いてある 高級ホテルに
見せてもらえるまで 一週間 毎朝通った
そして ぼくはついに
ドロップチェアに 会うことができた
あの 憧れだった 小さな 青い
なみだの雫は 写真で見たよりも
やさしくて かわいくて 繊細で
そして もっと ずっと きれいな青い色だった
ぼくも こんなにも人を感動させるモノを
生み出したい
あたたかく しあわせな気持ちになるコトを
創り出したい
そんな思いとともに 雫は 挑戦している